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トランス脂肪酸とは?なぜ悪いの?何に入ってるの?

      2015/09/18

トランス脂肪酸は体によくないと聞くけれど、何が悪いの?
そもそもトランス脂肪酸ってなに?
どんな食品に多く含まれるの?
など、トランス脂肪酸についての基本をできるだけわかりやすくお伝えします。

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トランス脂肪酸とは

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トランス脂肪酸はざっくり言えば脂のことで、自然界の動植物の体内にあるものと、油を加工してできるものがあります。

天然でできるもの

牛や羊などの反芻(はんすう)動物(胃に入れ食べ物を再び口に戻して咀嚼する動物)では、胃の中の微生物の働きによってトランス脂肪酸がつくられます。
そのため、牛肉、羊肉、牛乳、バターなどの乳製品には微量のトランス脂肪酸が含まれています。

人工的にできるもの

常温で液体の植物油を固形の油にするために水素添加を行いますが、そのときに副産物としてトランス脂肪酸が生まれます。
マーガリン、ショートニング、ファストブレッドなど。
またそれを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツにも含まれます。
また、高温処理した植物油にも微量のトランス脂肪酸が含まれることもあります。(揚げ物、ポテトチップスなど)

バターは天然のトランス脂肪酸、マーガリンは油脂加工でできたトランス脂肪酸になります。
「トランス脂肪酸が危険」と言われる場合、多くが油脂加工でできたトランス脂肪酸を指します。

トランス脂肪酸をなぜ使うの?

トランス脂肪酸を作りたくて作っているのではなく、食品の保存性やコストダウンを求めていたらできてしまったというところでしょうか。
トランス脂肪酸を含むクッキーや揚げ物はサクサクした食感で値段も安い、バターよりもマーガリンの方がヘルシーと、消費者にとっても素晴らしい技術のように思われていました。

トランス脂肪酸はなぜ悪い?

1990年以降、次第にトランス脂肪酸が持つ悪い面が指摘されるようになりました。
トランス脂肪酸の摂取量が多いと、血中のLDL(悪玉)コレステロールが増えて、HDL(善玉)コレステロールが減ってしまいます。LDLコレステロールが増えると、血管にコレステロールが蓄積され動脈硬化、そして心疾患の原因になることも。
米国で行われた調査では、トランス脂肪酸を2%不飽和脂肪酸に置き換えるだけで、心疾患リスクの一つが50%以上減少したそうです。

以前は、コレステロール値を上げるのは高コレステロールの食品だとされてきましたが、現在では高コレステロールの食事よりもトランス脂肪酸と飽和脂肪酸の方が、コレステロール値に影響すると言われています。

【関連】卵でコレステロールは上がらない?食事とコレステロールの関係

トランス脂肪酸と病気

トランス脂肪酸をとることは、以下の病気とも関係すると言われています。

・心臓病
・肥満
・糖尿病
・不妊症
・流産リスクを上げる
・胎児の体重減少
・胎児の知能・人格形成
・うつ病
・喘息、アレルギー

トランス脂肪酸についてアメリカは全面禁止

2015年、米国食品医薬品局(FDA)は、トランス脂肪酸は「安全と認められない」と判断し、トランス脂肪酸の規制を強化。
2018年6月以降の原則使用禁止を発表しました。

トランス脂肪酸を全て禁止ではなく、肉や乳製品等に含まれる天然のトランス脂肪酸や、植物油を脱臭精製するときに意図せずできるトランス脂肪酸は対象外です。

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トランス脂肪酸 日本では?

WHO(世界保健機関)では、トランス脂肪酸の摂取基準として「1日当たりの総摂取エネルギー量の1%未満」にすべきとしています。
日本では2010年の調査で1日あたりの摂取量は、女性が1.7g(摂取エネルギー量の0.8%)、男性も1.7g(摂取エネルギー量の0.7%)と、WHOの基準1%を下回っています。
そのため厚生労働省では「摂取量が健康への影響を評価できるレベルを下回っていることから、通常の食生活では健康への影響は小さい」としており、現在のところトランス脂肪酸の規制の動きはありません。

上記結果は「平均」になるので年代・性別を細かく分ければ1%を超えている人たちもいるということ。
女性24.4%、男性の5.7%はWHOの基準以上です。女性は30~49歳の年齢層の摂取量が高い傾向があります。

WHO基準の平均は下回っているとはいえ、食生活によっては摂取基準を越え、健康に影響があるかもしれません。
日頃からトランス脂肪酸をとらない食事が望まれますね。

トランス脂肪酸は何に入ってるの?

実際に、どんな食品にトランス脂肪酸は含まれているのか?
トランス脂肪酸を一般的に多く含む食品はこちらです。

ショートニング
マーガリン
マヨネーズ
食パン
菓子パン
ビスケット類
カレールウ、シチュールウ、ハヤシルウ
インスタント食品
レトルト食品
お惣菜の天ぷら・フライ

ショートニングとは?

植物(動物)油を原料とした練り込み固形油脂です。
ショートニング(shortening)は「サクサクにさせる」という意味を持つように、クッキーなどの焼き菓子によく使われます。
パン、アイスクリーム、ドーナツ、フライなど、幅広い用途で使用されています。

揚げ油にもトランス脂肪酸?

揚げ物を調理する際は、高温となるため微量のトランス脂肪酸が発生します。
しかし、農林水産省によると、通常の調理条件(160~220℃)では、同じ油を何度も加熱したとしてもトランス脂肪酸は極微量にしか発生しないとのこと。
トランス脂肪酸の影響は少ないかもしれませんが、油は空気中で酸化していきますから、揚げ油の再利用はほどほどにした方が良さそうです。

トランス脂肪酸の摂取量を減らすには?

女性の好きなショートケーキ、クッキー、ドーナツ、スナック菓子。トランス脂肪酸の誘惑は多いですね。
トランス脂肪酸の摂取を減らすには、食生活の見直しが必要になります。

・朝パン派であれば、マーガリンではなくオリーブオイル&塩
・お菓子はオーガニックのものを
・インスタント食品・レトルト食品は贅沢品
・外食は控え、基本は自炊
・日本食の割合を増やす
・よく利用する食品はトランス脂肪酸の少ないものを選ぶ

日本では国としてトランス脂肪酸の規制はされていませんが、大手食品メーカーではトランス脂肪酸を減らす取り組みをしているところも多いです。
マーガリンでも、低トランス脂肪酸のものが出ています。
トランス脂肪酸含有量を公表しているメーカーもありますので、よく利用する食品はHPをチェックしてみるとよいでしょう。

まとめ

トランス脂肪酸についてざっくりお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
繰り返しになりますが、現在のWHO基準でみると日本人の平均摂取量では問題ないとされています。
ただし、肥満気味の方、LDLコレステロール値が高い方、妊婦さんは摂取量に気をつけたいですね。

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